【ワクチン接種率を高めるために】参考にしたい世界各国の取り組み事例を紹介!

【ワクチン接種率を高めるために】参考にしたい世界各国の取り組み事例を紹介!

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2020年にイギリスで初めてワクチン接種が実施されてから約半年が経ち、日本でもようやく軌道に乗り始めています。日本経済新聞の「チャートで見る日本のワクチン接種状況」によると、2021年7月6日現在、少なくとも1回目接種を終えた割合は総人口の26.4%、65歳以上の高齢者は69.4%です。

今後は、国産ワクチンの開発など安定したワクチンの供給が実現できれば、さらなる接種の加速が期待されます。しかし、早い時期から接種を開始していた海外諸国では、若者世代を中心とする接種率のペースが鈍化しているのが現状です。ワクチン接種率を高め、新型コロナウイルスの収束を目指すために、日本はどのような施策を行うべきでしょうか。海外で実践されているユニークな施策を取り上げて解説します。

世界のワクチン接種状況

2021年7月4日時点で、各国内で少なくとも1回目接種を行った人の割合は以下の図に示す通りです。

接種状況の推移を見ると、早い時期からワクチン接種を実施していたアメリカ・イギリス・イスラエルなどを中心に、接種ペースが鈍化していることがわかります。世界保健機関(WHO)は1月7日の会見で、「正確には分からないものの世界の人口の70%を超える人がワクチンを接種する必要がある」という見解をを示していますが、2021年7月4日時点のOur World in Data によると、アメリカでは1回以上の接種が54.54%、イギリスでは66.69%、イスラエルでは65.23%と届いていないのが現状です。

進まない若者世代のワクチン接種

ワクチン接種の「優秀国」と言われた国々では、地域や属性による接種率の差が課題となっています。特に若者世代の間では、コロナ回復に向けた兆しが見えたことや、副反応に対する懸念から、接種率が伸び悩み、未接種者の間で新たに感染を招くなどの影響を及ぼしています。2021年2月に国立精神・神経医療研究センターらが実施した大規模調査によると、国内においてもワクチン忌避者の割合は、男女ともに15~39歳の世代が最も多く副反応についての不安な声が挙げられています。

ワクチンパスポートとは

ワクチンパスポートとは、新型コロナウイルスワクチンの接種証明書で、出入国における隔離の免除や隔離期間の短縮に活用される目的です。経済回復効果が見込まれる一方で、世界保健機関(WHO)は、2021年4月6日時点で「接種が受けられない人への差別が起こりかねない」などという理由から支持しない考えを示しています。

ワクチンパスポートのメリット
・出入国時の手続きが円滑になる(隔離・空港検疫手続きの免除など)
・国内消費の回復にも応用できる(施設への優先入場、医療機関の面会など活動制限の緩和)

ワクチンパスポートのデメリット
・感染防止効果があるのかどうかが不確定
・行動制限による未接種者への差別が起こりうる

現在EU加盟国、イスラエル、中国などで導入されており、日本政府は、ワクチンパスポートの発行に向けた準備期間を経て、2021年7月下旬に発行を開始する見解を示しています。

ワクチン接種率向上を目指す各国の取り組み

ワクチンパスポートの普及以外にも、海外各国・地域では、若者世代などの低い接種率が目立つ人たちに対して、ワクチン接種向上のためのユニークな施策を行っています。

アメリカ「ハンバーガーチェーン店での接種」

カリフォルニア州では、2021年6月中旬に全面的に経済活動が再開したものの、若者世代の接種率の低さが大きな課題となっています。そこで、州は大手ファーストフードチェーン店を経営するマクドナルドと手を組み、州内の70以上の店舗で接種が可能となりました。予約は不要で、店内で接種を行った人には、ハンバーガーのセットメニューが無料で提供される特典がついています。

香港「高額マンションが当たるくじ」

香港は、国家安全維持法の発令などにより、政府への不満が高まっていることが背景となり、接種ペースの鈍化や未使用ワクチンの使用期限が迫るなどの課題を抱えています。そこで、政府は民間企業と協力して、ワクチン接種を促す施策を行っており、香港の大手不動産会社は、2021年5月21日に、接種が完了した市民を対象に、約1億5000万円のマンションが当たる抽選を実施することを発表しました。

参考記事:朝日新聞「ワクチン接種で億ション当たる 香港の不動産会社が発表」

マカオ「従業員への有給付与・現金支給」

マカオなどで統合リゾート施設を運営するメルコリゾーツ&エンターテインメント社では、従業員の接種率向上を目指すプログラムを用意しています。ワクチン接種当日と翌日は有給休暇を取得でき、完了した際には、約1万3600円の現金が支給されます。さらに全従業員の接種率が目標値に達成した場合、1人あたり約1360万円の賞金が当たる抽選が実施されることも決定しています。

参考記事:マカオ新聞「マカオIR運営メルコリゾーツ、新型コロナワクチン接種完了の従業員に現金支給=マカオ同業で初の取り組み」

ルーマニア「ドラキュラ城での接種」

ルーマニアでは、ドラキュラ城のモデルとして有名なブラン城に接種会場を設け、観光客に接種を促すツアーを開催しました。医療従事者のユニフォームには、ドラキュラがデザインされており、スリリングな体験を味わえることで話題になりました。接種をした人には、独自の証明書無料で城内を見学できる特典も付与されました。

参考記事:東京新聞「ドラキュラ城でワクチン スリルに訴え接種加速、ルーマニア」

オーストラリア「旅行券・ポイントの付与」

オーストラリアは、厳格な国境管理やロックダウンにより、大規模な感染拡大を抑えてきました。しかし、ワクチンの調達が遅れ、2021年7月6日現在、未接種者を中心に新たな変異株ウイルスの感染が確認されています。そこで、2021年6月1日に、オーストラリアの大手航空会社カンタス航空では、接種率向上による旅行業界の回復を目指して、ワクチン接種者に対して1000ポイントのバウチャーや、10組の当選者限定で、1年間国内を自由に飛び回ることができるフライトパスを提供することを発表しました。

参考記事:共同通信社「豪カンタス航空、接種促進で特典」

タイ「牛1頭が当たるくじ」

タイ南部のプーケットでは、2021年7月1日からワクチン接種が完了している外国人観光客を隔離なしで受け入れています。一部地域では、商用に限られるなど制限されていますが、国内では観光業の回復を目指すとともにワクチン接種が進められています。タイ北部チェンマイ県メーチェム地区では、接種者を対象に毎週1人ずつ生きた牛1頭をプレゼントしており、首長によるとワクチン登録者数について大幅に増加したと発表しています。

参考記事:毎日新聞「ワクチン接種なら抽選で生きた牛プレゼント、タイの町が促進策」

医療機関の予約システムならRESERVA

今後、日本はコロナ回復に向けて、ワクチンパスポートの普及や接種率向上のための施策を行っていくことが予想されます。そこで、ワクチン接種者の管理やワクチンパスポートの申請手続きは、予約システムを活用することで業務効率化を進めることができます。17万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムRESERVA(https://reserva.be/は、医療機関向けの予約システムや、新型コロナワクチン接種の予約受付に特化したシステム「新型コロナワクチン接種予約システム by RESERVA」を提供しています。2021年6月現在、「新型コロナワクチン接種予約システム by RESERVA」は180超の自治体、医療機関、クリニック、企業などで、ワクチン接種の予約に導入いただいています。

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まとめ

今回は、接種率が鈍化している国々で実施されているワクチン接種率向上のための施策を紹介しました。日本でのワクチンの供給が安定すれば、今後は「いつでも、どこでも」接種が受けられる環境が整えられることが予想されます。しかし、海外の先行事例を見る限り、単に接種できる場所を増やすだけでは、いずれ接種ペースは収束し、国全体の接種率向上にはつながらないと考えられます。ワクチンに関する情報を提供し続けるとともに、地域や職場で接種を促す新たな施策を検討してみてはいかがでしょうか。

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